最近は何かと「パーパス」が大人気で、ビジネス誌でも大きく取り上げられている。

 

様々な企業でパーパス経営に関する取り組みが進んでいる。

 三菱電機がグループ社員15万人を対象としたパーパスプロジェクトを開始

 NTT東日本グループ「パーパス」等を制定

 

企業だけではない。

 国家公務員に「パーパス」

省庁でも離職防止のために、働く意義の確認を進めるという。

 

さて、パーパスを持った経営とは何を指すのだろうか。

 

JMAM 日本能率協会マネジメントセンターによれば、

 

パーパス経営とは、社会においてどのような存在意義を出してどのような貢献をするのかを「パーパス」として掲げ、その「パーパス」を軸に経営を行っていくことで、次世代の経営モデルとして注目を集めている、とのこと。

企業として社会における自らの使命、目的は何かを問い、本来の存在意義を再確認し、必要ならアップデートせよ、ということだ。

 

ただ、そもそも目的がなければ、企業という形を取っていないと思うのだが、それでも本来の使命に立ち返るのは悪いことではない。

働く人間としては、自分の仕事や組織に意義を感じられるのは大切だし、やる気にもつながる。

この人手不足の時代に、離職防止にもなる。

 

仮に、「わが社の目的は利益を上げることだけ」、といった企業があったとしても、まっとうなやり方で利益を出していれば、税金も納めているだろうし、社会のためになっているはず。

企業という組織だからこそできる社会貢献だと思う。

 

 

翻って、私たちは個人レベルでも自らのパーパスを意識しているだろうか。

 

もし自分だけのパーパスを探しているなら、ハーバード・ビジネス・レビューのこの記事が役に立つかもしれない。

 

How to Find Your Purpose
by Ayse Yemiscigil, Melis Sena Yılmaz, and Matthew T. Lee

September 15, 2023

https://hbr.org/2023/09/how-to-find-your-purpose?utm_medium=email&utm_source=newsletter_daily&utm_campaign=mtod_notactsubs

 

原文は英語なので、こちら拙訳にて、要約を紹介させていただく。

曰く、自らのパーパスを見つけるためにできる、三つの行動があるという。

 

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新しい経験を追求し、自己を広げよう

自分の情熱を育て、その情熱が人々の生活にどのように貢献できるかを知ることが大切、そしてそれが個人的な経験と結びついていることが大事。

自分の興味が、他の人々の生活にどのように意味をもたらすかを明らかにしよう。そしてそのための経験を追求しよう。

自問自答してみてください:
 私を快適なゾーンから連れ出し、外の世界とつなげるものは誰、または何だろう?
 社会的に有益なキャリアの機会を探し始めるための第一歩とは何だろう?

 

経験を振り返ろう

でも経験だけでは不十分。

自分の経験を振り返り、そこから何を学んだかを考えることが大切。

自問自答してみてください:
 自分の経験は自分の人生にどのような影響を与えただろう?
 自分の価値観や世界観にどのような変化をもたらしただろう?

これらの問いに対するあなたの答えが、最も楽しいと感じた経験から得た学びを思い起こさせ、同時に、今後追求したい経験の方向性を示してくれる。

 

人生の目標を友人と共有し、フィードバックを受けよう

個人的な自己分析を行ったら、友人と自分の夢や目標について話すことが大切(専門家とだけでなく)。

これらの会話はさまざまな視点を提供し、自分の目標を新しい角度から見る手助けとなる。

友達に次のように言ってみてください:
 「最近、私は人生で何を望んでいるかを考えていて、そのためのアイデアを誰かと共有したいと思っている。
  話す時間は取れますか? 
  あなたの人生の目標についても聞かせてもらえるとうれしいです。」

 

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といった内容。

パーパスを見つけるステップとしては三段階かもしれないが、自問自答に答えるには、一人で静かに考える必要がありそうだ。

 

そして、人生の、自分の使命について、考える時間にこそ、価値があるともいえそう。

 

名作『指輪物語』で、指導者でもある魔法使いガンダルフがこう諭しているとおり。

(一番好きなシーンのひとつ)

 

…All we have to decide is what to do with the time that is given us.  

 

やらなければならないことは、つまるところ、自分に与えられた人生という時間の中で、何をするかを、決めること。

An Encouraging Thought Scene (5/8) – The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring Movie (2001)

Gandalf_on_blue_Panel
https://lotr.fandom.com/wiki/Gandalf

Venn diagram with three circles. The first is labeled Life engagement, and has two bullet points: Seek diverse experiences, and Take moral action. The second is labeled Self-reflection, and has two bullet points: Be critical and adaptive, and Be morally discerning. The third is labeled Social feedback, and has two bullet points: Have intentional conversations, and Seek diverse perspectives. Where life engagement and self-reflection overlap, the zone is “Self-focused.” Where self-reflection and social feedback overlap, the zone is “Ruminator.” Where social feedback and life engagement overlap, the zone is “Over-socialized.”<br />
All three circles overlap in the middle, creating “The ideal – discovery-of-purpose – zone.” </p>
<p>Source: Ayse Yemiscigil, Melis Sena Yilmaz, and Matthew T Lee.<br />