『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。』
中尾篤典、毛内拡、ナゾロジー  著

 

P. 223 

 さて、ゲームと同じくらい目の敵にされやすいのがスマホです。昭和大学医学部の研究は、スマホで読書することと紙で読書することが、読解力や脳の活動にどう影響するかについての研究結果を説明しています。

驚くかもしれませんが、紙の本を読んでいるときはため息が多く、しかしそのことは実は頭脳労働の助けになるかもしれないということです。

 

 この研究では、大学生34人が参加し、スマホと紙の両方で読書をしました。その間、脳の一部である前頭前野の活動と呼吸パターンが測定されました。

 

 その結果、紙で読書した方が、スマホで読書した場合よりも読解力のスコアが高かったのです。また、紙で読書したときには、ため息がより多く、前頭前野の活も少なかったそうです。

これが読解力が下がる一因なのかもしれません。

 

 これらの結果から、スマホでしか読書をしないと読解力が下がる可能性があります。また、スマホの画面の明るさが脳を刺激し、ため息を減らす一方で、脳活動を過剰にしてしまう原因になった可能性もあります。

 

 ただし、この結果は年齢やスマホの使用経験によって変わるかもしれません。

さらなる研究が必要ですが、スマホの普及に伴い、私たちの読解力や学習能力にどのような影響があるかを理解するためのひとつの手がかりになったのは事実です。

 

 

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