年始の目標を決めるに最適な一冊。

シリコンバレーのスタートアップ界におけるアイコン的存在とのこと。

今年何をしようかを考えた時に、この正月、一番刺さった一冊です。

 

『シリコンバレー最重要思想家 ナヴァル・ラヴィカント』
著者:エリック・ジョーゲンソン 
訳者:櫻井祐子

 

恥ずかしながらナヴァル・ラヴィカントという名前を聞いたことがなかったので、タイトルが気になったくらいで、図書館でパラパラっと何気なく読み始めたんですが、 guide to wealth and happiness に関する納得できるアドバイスが惜しげもなく、たくさん、たくさん書かれていて、一つ一つにグサッときます。

惜しげもないと書いたのは、ナヴァル氏は本書から一切の利益を得ていない、とのこと。

 

上記のリンクから無料でダウンロードできてしまう。

ライターのエリック・ショーゲンソン氏が、ナヴァルに質問をしてその答えをまとめていく形でこの本は構成されています。

 

内容がすばらしかったので、一冊購入予定です。

 

下記いつもの通り抜粋をご紹介しよう。

 

本書で繰り返し強調されるのは、読書の大切さと、よい習慣を築くこと。

 

P. 160 

Q:今から60日間で、もっと明晰に、もっと自分の頭で考えられるようになるには、どうしたらいいですか?

A:数学、科学、哲学の偉人たちの本を読もう。現代人とニュースは無視しよう。まわりに同調するな。社会的承認より真実を優先しよう。

倫理学と数学を学べ。これらをマスターすれば、どんな本も怖くなくなる。

・・・原典や古典を読むことだ。進化論に興味があるなら、最初にチャールズ・ダーウィンを読もう。リチャード・ドーキンスから始めてはいけない(ドーキンスもすばらしいと思うが)。それはあと回しにして、まずはダーウィンだね。

マクロ経済を学びたいなら、最初にアダム・スミス、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス、フリードリヒ・ハイエクを読もう。経済学を創始した思想家を出発点にするんだ。共産主義や社会種の思想が好きなら(私自身は違うけど)、カール・マルクスから読み始める。物事はこうなされるべき、こう運営されるべきという、誰かの現代版の介錯は読まなくていい。

原典を基礎として始めると、しっかりとした世界観と理解を築くことができるから、どんな本も怖くなくなる。そうすれば、思いっきり学べる。

継続的な学習習慣が身についたら、お金を稼ぐための方法はいくらでも見つかる。社会で何が起ころうとしているのか、その価値はどれだけあるのか、どこに需要があるのかをいつでも察知して、すばやくまなぶことができるんだ。

明晰に考えるためには、基本を理解せよ。高度な概念を、必要に応じて導出できず、丸暗記をしているだけでは途方に暮れる。

 

P. 199 

Q:幸福のスキルを身につけるにはどうしたらいいでしょう?

A:よい習慣を積み重ねていくといいよ。たとえば、酒を断つと気分が安定する。糖を断つと気分が安定する。フェイスブックやスナップチャット、ツイッターを断つと気分が安定する。

要は、もっと幸福な人間になると心に決めて、自分の生活を見直して、軽率な悪い習慣をよい習慣に書き換えていこう。つきつめれば、君の習慣と、君がいつも一緒にいる人たちが、君という人間をつくっているのだから。

 

P. 245 

くり返すが、習慣がすべてだ - 習慣が私たちのすべてをつくっているんだ。私たちは子どもの頃から、トイレトレーニングに始まり、泣いていいタイミングやいけないタイミング、ほほえみ方やほほえんではいけないタイミング等々を教えられ、いろんな習慣を身につけるよう訓練される。そうやって学び、身につけた行動のすべてが、習慣になる。

成長すると、潜在意識化でつねに稼働している何千もの習慣の集合が、私たちそのものになる。新しい問題の解決に使えるのは、大脳新皮質の残りのわずかな能力だけだ。習慣そのものが、私や君という存在になる。

これに気付いたのは、私のパーソナルトレーナーが、毎日欠かさずやるようにと言って、ワークアウトのメニューをくれたときのことだった。それまでワークアウトを毎日やったことはなかった。軽いワークアウトだよ。

そんなにキツいものじゃないが、とにかく毎日やった。すると心と体が信じられないほどすばらしく変わったのを実感したんだ。

心の平安は体の平安から始まる。

 

 

P. 210 

Q:自分の力で変えられない物事をどうしたら受け入れられるようになりますか?

A:基本的に、すべてに通じる大きなコツがある。それは死を受け入れることだ。

死は私たちに起こる何よりも重要な出来事だ。死を見つめ、逃げずに受け入れたとき、人生に大きな意味が生まれる。私たちは人生のほとんどを、死を免れようとしながら過ごしている。私たちの奮闘の大半が、不死を求める営みだといえる。

信仰を持っていて死後の世界を信じている人は、宗教に頼ればいい。信仰を持っていない人は、子どもをつくるかもしれない。芸術家や画家、事業家は、自分の足跡を残そうとするかもしれない。

ここで大事なことを教えよう。足跡なんてない。後世に残すべきものなんて何もないんだ。みんないなくなる。子孫もいなくなる。業績は塵になる。文明は塵になる。地球は塵になる。太陽系も塵になる。大きな目で見れば、宇宙は100億年前から存在しているし、この先100億年は存在する。

人生は夜のホタルの瞬きだ。君がこの世にいられるのは、ほんの一瞬でしかない。君のやっていることの虚しさを自覚すれば、それが「ゲーム」だということに気付いて、大きな幸福と平安を得られるだろう。でも、それは楽しいゲームなんだ。

現実を味わいながら人生を過ごせばそれでいい。現実をできる限りポジティブに解釈しようじゃないか? 君が心から楽しまず、心から幸せでないからといって、誰も喜びはしない。君が不幸だからといって、誰の得にもならない。君はただ、この世にいられるわずかな貴重な時間を無駄にしているだけなんだ。

つねに死を意識して、死を否定しないことが本当に大切だ。

君はいつか死に、すべてが意味を失う。だから楽しもう。前向きなことをしよう。愛を伝えよう。誰かを喜ばせよう。ちょっと笑おう。今この瞬間を味わおう。そして、君にしかできないことをしよう

 

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さて、いかがでしたでしょうか。

 

毎日の運動の大切さについては、自分は幸福よりも、家庭よりも、仕事よりも私自身の健康を第一優先にしていると述べています。

 

そう、家庭よりも、まずは自分の健康が優先だというのです。

 

というのも、自分の体の健康がなければ何も始まらないからだと。

 

自分の体の健康が最大のプライオリティなら、運動する時間がないなどと言っていられない。

 

「時間がない」というのは「優先順位じゃない」の言い換えだとも言っています。

 

優先事項をきちんと決め、決めたら習慣になるまでやれ。

 

 

刺さりました。

 

 

ぜひ上記HPを訪れるか、本書を書店などで手に取ってみてください。

 

今年の目標を考えるのに、間違いなく良い助けとなります。

 

Photo by Anik Mandal via Unsplash.