Booker Prize ブッカー賞のHPに、ナイジェリア出身の作家、ベン・オクリ氏が取り上げられていた。
『満たされぬ道』を執筆して、1991年にブッカー賞を受賞している。
アフリカ系では初の受賞でそれだけでも当時は話題になったようだ。
本作の日本語訳を書店ではなかなか見つけられず、いつもの図書館で貸りることができた。
下に載せたブッカー賞HPのビデオを見てもらうと、この作品をどのように書いたかについて語っている。
当時、2冊の大きなノートに書き綴っていき、執筆が終了したのちは、紛失しないように近くの銀行に預けたそうだ。
興味深いのが、そのノートにどのように書いたか。
彼はノートの片面だけにどんどん書いていき、反対側はあえて空白メモや推敲のためのスペースとして活用している。
19:30頃。
自分もステキなノートを見つけると執筆用に買うのだが、ノートのように綴じられていると、後から読み直して修正したいときなどに、いつも余白が足りなかった。。
裏表両方に書いてしまうからだ。
でもベン・オクリのように、単純に片面だけに書いていけば良かったのだ。。
インタビューでは創作の原点やナイジェリアから英国に渡った際の苦労といった、もっと大事なことをたくさん話してくれている。
特に下記のパートは圧巻だ。
成功すると決まっていたわけではありません。
執筆中、夜遅くまでパニックになったり、自分がおかしくなってしまうのではないかと心配になったりすることもありました。
個人的なプレッシャーの中で書いていた。
やるか、やらないかの時期だった。やるか、死ぬか、どちらかだ。
それくらい深刻で、本当に自らの存在に関わるものだったんです。
(拙訳)
執筆の覚悟がビシビシ伝わってくる!
なのに、今日この映像を見ていて一番印象に残ってしまったのが、彼のノートの使い方だった。
(すみません)
ベン・オクリは、ポストモダンおよびポストコロニアルの伝統におけるアフリカの代表的な作家の一人と考えられている。
その重要性は、サルマン・ラシュディや、ガブリエル・ガルシア・マルケスと並び称されるほど。
特に最近は、チゴズィエ・オビオマ や、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ など、ナイジェリア出身の作家の活躍が目覚ましい。
オクリも日本でももっと読まれるようになるといいのになと思う。
Source: https://www.youtube.com/watch?v=nEASwdrr2LQ