昨年末から年明けにかけて、国際情勢において異例の出来事が続いていますね。
あまりにいろいろなことが起きるのでもうあまり驚かなくなっていきます。。
でもやはり衝撃的だったのは、アメリカがベネズエラの国家のトップ、マドゥロ大統領を拘束するという前代未聞の作戦に踏み切ったこと。
ある晩突然、国家元首が拘束され、ニューヨークへ移送された。戦車も革命もなく、政権の頂点だけが静かに消えた。
映画でもこんな筋書き見たことありません。。
一体、何が起きていたのでしょうか。
今日はこの分野の専門家の調査と分析を手がかりに、この“あまりにも完璧な作戦”の正体を読み解いてみたいと思います。
――なぜこの作戦は“あまりにも完璧”だったのか
この記事は、BBC のセキュリティ・諜報担当記者として世界的に知られるゴードン・コレラ氏の分析記事をもとにしています。
Maduro capture: The continued mysteries surrounding the intelligence operation
コレラ氏は MI6 や CIA の元幹部に直接取材できる数少ない記者で、これまでも MI6 や諜報の歴史についての記事や書籍を数多く執筆しています。
彼は今回のマドゥロ拘束を「軍事作戦の成功」ではなく、極度に洗練された諜報と権力操作のケースとして描いています。
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静かに起きた「国家元首の捕獲」
ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領は、米国の統合作戦によって拘束され、ニューヨークの裁判所へ移送されました。
ところが、首都カラカスは炎上せず、市街戦も起きませんでした。政権のトップが消えたにもかかわらず、街は不気味なほど静かなままだったといいます。
この「静けさ」こそが、コレラ記者が最も重視するポイントです。
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作戦は“軍事”ではなく“情報”が主導
この作戦には、約150機の航空機が投入され、ヘリコプターは地表すれすれの低空を飛行しました。1機は被弾しましたが、作戦は中断されず、米軍に死者もほとんど出ていません。
元 CIA ラテンアメリカ作戦責任者デイビッド・フィッツジェラルドは、BBC にこう語っています。
「軍事戦術がこの作戦を動かしたのではありません。情報が動かしたのです」
マドゥロは、鋼鉄製の安全室に逃げ込もうとする直前に拘束されました。これは、建物の構造や彼の動線まで把握されていたことを意味します。これほど正確な作戦は、外からの突入だけでは実現できません。
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マドゥロの居場所を知っていた“政権内部の人物”
CIA は数か月前から、ベネズエラ国内に非公式の工作員を送り込んでいました。大使館もなく、外交官の身分も使えない「拒否領域」での活動です。
(※拒否領域: 自国の大使館もなく、外交官の身分も使えず、捕まればスパイとして処刑や長期拘束される場所)
そこで決定的な役割を果たしたのが、マドゥロ政権の内部にいた協力者でした。マドゥロの移動予定を事前に把握できるほど、側近に近い人物だったとみられています。
この人物が誰なのか、そして今どうなっているのかは公表されていません。
しかし、コレラ記者は、この“見えない裏切り”こそが作戦の核心だと指摘しています。
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カラカスの灯りは誰が消したのか
作戦と同時に、首都・カラカスは広範囲で停電しました。トランプ大統領は「我々の専門技術で街の灯りを消した」と発言し、米サイバー軍が電力網に侵入した可能性が示唆されています。
さらに、中国やロシアが供与したベネズエラの防空網が機能しなかった点も重要です。電子妨害やジャミングが使われ、米宇宙軍が衛星を通じて特殊部隊の侵入ルートを確保していたとも伝えられています。
これは、単なる対ベネズエラ作戦ではありませんでした。
米国が中国やロシアに対して「あなたたちの防空と通信は無力になり得る」と示す、戦略的デモンストレーションでもあった、ということです。
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マドゥロを守っていたのはキューバ人
マドゥロを最側近で守っていたのは、ベネズエラ軍ではなく、キューバ人の警護部隊でした。
キューバは長年、ベネズエラ政権に諜報と警護を提供してきました。
その部隊の32人が今回の作戦で死亡したとキューバ政府は発表しています。しかし、抵抗は驚くほど弱かったとされています。このことが、政権内部の一部が作戦を黙認していた可能性を強めています。
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CIAは「誰を次に据えるか」まで考えていた
BBC によれば、CIA はマドゥロ拘束前に、彼がいなくなった後のベネズエラ情勢を詳細にシミュレーションしていたとされています。
結論は、国外の反政府勢力を政権に据えるよりも、現体制の中の人物と協力したほうが安定するというものでした。
その結果、副大統領デルシー・ロドリゲスらと、水面下で接触が行われていたと報じられています。
つまりこれは、体制内部の管理された再編だったということです。
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最大の謎は今も未解決
マドゥロの居場所を売った人物は誰だったのか。
その人物はいまどこにいるのか。
この答えが明かされない限り、ベネズエラ政権の内部には疑念と恐怖が残り続けます。
コレラ記者が示しているのは、今回の作戦が軍事力よりも、権力構造そのものを破壊したという事実です。
この事件は、現代の国家がいかに「情報と裏切り」によって動かされているかを、静かに、しかし決定的に示した出来事だったと思います。▪️
情報元:
Maduro capture: The continued mysteries surrounding the intelligence operation