誰しも一度はそう感じたことがあるのではないでしょうか。
書きたい気持ちはあるのに、机に向かっても言葉が出てこない。時間ばかりが過ぎ、自己嫌悪に陥る。(自分のことを言ってます。。)
でも、7冊ものベストセラーを世に送り出してきた作家、ダニエル・ピンク もまったく同じように感じているようです。
ピンクはアメリカの作家で、過去にはアル・ゴア副大統領のスピーチライターも務めた言葉のスペシャリスト。特にノンフィクション領域でとても有名な文筆家。
個人的にはこの本が私のお気に入りで何度も読みました。
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―――富を約束する「6つの感性」の磨き方
今日は5/15にアップされた YouTube の中でピンクが語った創作のポイントを紹介したいと思います。
「書くのは孤独で、進みが遅くて、半分以上はうまくいかない気がする。でも、時々、すべてが噛み合う瞬間がある。それが最高だ。」
彼が語る、**「6つの執筆ルール」**は、魔法のようなテクニックではありません。むしろ、地味で、誠実で、日々の実践に根ざしたものばかり。
でもだからこそ、心に響きます。
そのエッセンスを下記に私自身の気づきとともにご紹介します。
1. 「書きたくない日」にこそ書く
ピンクは毎朝8時半に机に向かいます。スマホも見ず、メールも開かず、ニュースもチェックしない。ただ、書く。
「やる気が出てから書こう」ではだめなんですね。
書きたいときに書くのは簡単。
書きたくないときに書くのが、本当の勝負どころ。
書くことを「仕事」として扱う。モメンタム(勢い)を失うと、それを取り戻すのに3倍のエネルギーがかかる。だから、毎日書く。
意欲がわかなくても書くときに、よいものができるとも言っています。
これが、ピンクのいう最も基本にして最も強力なルールです。
2. ノルマは「500ワード」
ピンクは毎朝、最低500ワード書くことを日課にしています。それが終わるまでは、他のことは一切やらない。
質は問わない。
とにかく「量」を出す。修正は後でいい。
ピンク曰く、これを続けると、1日500ワード×6日=週3000ワード。
半年で本1冊分(約70,000ワード)が完成する計算になります。
これは単なる数字の話ではなく、「積み上げる手応え」が得られるという心理的効果も大きいようです。
3. 行き詰まったら、歩く
どうしても言葉が出てこないとき、ピンクは歩きます。
家の中をウロウロしたり、外を散歩したり。すると、ふとひらめきが降りてくる。
歩くことは、時速3マイル(約4.8km)の思考法。
身体が動けば、頭も動く。
歩くことについてはいろいろな作家がおススメしていますね。
最近読んだ本ではこちらがとてもおもしろくためになりました。
4. 書いたら「声に出す」
ピンクは、完成した文章を必ず音読します。
自分一人でも、奥さんとでも、すべての章を音読し合うそうです。
なぜか?
書くのは目で行うが、読むのは耳で行う。
目で読んで「いい感じ」と思っていた文が、音にするとダラダラと長く、息が詰まるようなことがあります。
耳で聞くと、文章の粗が浮き彫りになる。
これは私も実感するところです。音読を取り入れるだけで、文章がスッキリし、読者への伝わり方が格段に変わります。
5. 読者との「約束」を忘れない
書くことは孤独に見えて、実は読者との対話です。
ピンクは「この本は、読者に何を約束するのか?」を常に自問するといっています。
20ドル払って、9時間読んでくれる。
だから、その価値に見合うだけのものを届けなければならない。
「自分の書きたいこと」ではなく、「読者が受け取るべきもの」を意識する。これはプロとして、書き手に課される責任だと改めて感じました。
6. 他人の方法より「自分のやり方」を確立する
最後に、ピンクはこう言います。
これは僕のやり方。でも、あなたはあなたの方法を見つけてほしい。
真似することから始めていい。でも最終的には、自分のリズム、自分の儀式、自分の書き方を見つけること。それこそが、長く書き続けるための「唯一の方法」だとします。
おわりに:書くことは、特別な人だけのものではない
ダニエル・ピンクの話からわかるのは、「書くこと」は才能ではなく習慣と仕組みの問題だということです。
1)書きたくない日にも書く
2)小さく積み上げる
3)詰まったら歩く
4)声に出して整える
5)読者と約束する
6)自分なりのやり方を磨く
どれもシンプルですよね。
でも、これを毎日繰り返すことで、作家としての筋肉がついていく。筋トレと一緒なのかもしれませんね。
書くことに苦しむすべての人に、ピンクの言葉が届きますように。■
✍️参考元
Daniel Pink: 6 Writing Tips I Used to Publish 7 Bestsellers
YouTubeより