作家・西村賢太氏が昨年の2月5日に亡くなった。

ご冥福をお祈りします。

 

私小説文学の書き手。

『一私小説書きの日乗』が好きだった。

 

年末年始にこちらの本を読んだ。

これも実におもしろかった。

 

『小説にすがりつきたい夜もある』

 

 

昨日アップしたブログにも西村賢太さんについての言及があった。

 

町田康氏はこう書く。

 

「西村賢太の小説が、なぜ、おもろいか。ホンマに書いているからです、思うたことを。これがおもしろいんです。」

 

本書では、雑誌などで答えたアンケートなどもまとめられている。

 

人生を変えられた一冊とは? という質問にこう答えている。

(アンケート「くじけない!!ために、この一冊をオススメ!」)

 

Q:これまでの人生において、くじけそうになったとき、この本によって救われたという一冊、くじけそうになったらこれを読むという一冊を教えてください。

 

『根津権現裏』藤沢清造 著 

「当初、二十三歳時に読んだときは、それなりに惹かれながらもそのままにやり過ごした。が、六年後に二度目の逮捕、四面楚歌の状況下で再度手にして、すがりつくかたちとなった。そのときの心の寂しさに、作者の文章の一言一句が沁み込んできた。以来、いまだにこの作者の後を追い続けている。この作者を知らずにいたら、今、自分で小説は書いていないはずであり、良くも悪くもこの作によって人生を変えられた。悲惨、陰鬱ななかにも、落語の要素を取り入れた粋なユーモアが底流している一冊。」

 

「週刊プレイボーイ」第四十四号(平23・10・31)

 

 

これも読まなければ。

 

ということで、次から次へと積読だけが増えていく。

 

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西村賢太氏の写真は、NHK 記事より。
NHK: 芥川賞作家 西村賢太さん死去
2022年2月5日 16時44分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220205/k10013468331000.html