— 受賞作2本を分解して見えた、価値の作り方
X で、長文記事(Articles)を対象にした Article Contest が実施され、受賞作が発表されました。
賞金総額は $1M 級!
大量の投稿の中から「選ばれた」記事には、共通する作法がありました。
今回は、“読まれる(バズる)”ではなく、「賞に選ばれる」という一点に絞って整理します。
まず受賞作2本の中身から紹介します。
受賞した 2本 は「どんな記事」だったのか?
① Grand Prix(グランプリ賞):政府IT×大手コンサルの “失敗の連鎖” を立証する記事(調査報道型)
Deloitte, a $74 billion cancer metastasized across America
一言でいえば、「税金で作られる行政ITは、なぜ何度も壊れるのか」を追う告発レポートです。
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生活に直結する領域(失業保険、医療給付、児童福祉など)を並べ、読者を「自分ごと」に引き込みます
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その裏側のベンダーとして Deloitte を名指しし、公開情報(契約、監査、訴訟、失敗事例など)を掘り進めます
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中盤で契約総量や損失規模など、数字の柱 を置きます
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そのうえで州ごとの具体例(大規模な混乱や損失、プロジェクトの破綻)を積み上げ、「事故ではなくパターンだ」と示します
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後半は陰謀論ではなく、政府と企業の**回転ドア(人材の出入り)**という“構造”に焦点を移します
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最後に、集めた情報をまとめて公開し、読者が追試できる形で締めます
強いのは言葉ではなく、立証の順番 です。
「信じろ」ではなく「見ろ」を成立させていました。
② Creator Choice(クリエイター賞):集中力を“手順”に落として、人生を設計する記事(プレイブック型)
Full guide: how to unlock extreme focus on command
こちらは社会告発ではなく、自己変革のマスタークラスです。
私のnote でも紹介してきた、Dan Koe!
おめでとうございます! ㊗️
一言でいえば、「集中は才能ではなく、設計で呼び出せる」という記事。この人は本当に設計が好きですね。
一貫してる。
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入口で「忙しい人でも、1日1時間で変えられる」と現実を先に認めます
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仕事を Building(作る)/Maintenance(維持)/Recovery(回復) に分け、まず“作る”に時間を投資せよと方針を立てます
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集中できない理由を比喩で説明し、注意力の希少性や「心が散らかる」構造を整理します
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集中を呼び出す条件を Clarity(明晰さ)/Importance(重要性)/Urgency(緊急性) にまとめます
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最後は、ビジョン→目標の階層化→プロジェクト学習→レバータスク、というプロトコル(手順)として提示します
読後に残るのが、“気合い”ではなく、やること になっている。
これがプレイブック型の価値です。
受賞する文章の条件は「2つの型」に収束
この2本はテーマが違います。
しかし「賞に選ばれる」という観点で見ると、やっていることは大きく2つに分かれます。
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調査報道型:散らばった一次情報を集めて立証し、検証可能にする
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プレイブック型:抽象テーマをフレーム+手順に落とし、実行可能にする
言い換えると、受賞作はどちらも「読者に価値を残す設計」になっていました。
価値とは、読後に残る判断軸か、手順か、検証材料です。
賞に選ばれる文章の共通条件(7つ)
受賞2本を分解して見えた共通条件を、再現可能な形でまとめます。
1. 公共性(あるいは普遍性)がある
誰か一人の体験談で終わらず、社会・市場・人生のどこかに接続している。
「読者が参加できる論点」になっています。
2. 問いが強い(論点が固定されている)
記事の問いが途中で揺れません。
「結局何の話?」にならず、終点が最初から決まっています。
3. 独自の材料がある(自分で集めたか、自分で組み直したか)
調査報道型なら一次情報。プレイブック型なら体系化。
どちらにせよ、その人が“やった”ことが核にあります。
4. 構造がある(読む順番が設計されている)
導入→定義→根拠→具体例→構造→提案、のように
読者の理解コストが最小化されています。
5. 具体が多い(数字・事例・行動)
抽象で終わらず、読者の頭に映像が浮かぶ。
「だから何をどうすれば?」が残る。
6. 反論耐性がある(ツッコミが先回りされている)
「例外は?」「根拠は?」「それは言い過ぎでは?」に耐える作り。
ここが“賞”の領域に入る条件だと感じます。
7. 読後に“残るもの”がある(検証 or 実装)
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調査報道型なら:追試できる資料・リンク・データ
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プレイブック型なら:テンプレ・チェックリスト・手順
読者が「保存」したくなる形で終わっています。
noteで使う:受賞構造チェックリスト
この記事を読んだ後、次に書く自分の長文を、これで採点できます。
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⬜︎ 問いが1本に固定されている?
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⬜︎ 公共性/普遍性がある?
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⬜︎ 独自の材料がある(一次情報 or 体系化)?
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⬜︎ 根拠→具体例→構造、の順番がある?
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⬜︎ 数字/事例/行動が入っている?
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⬜︎ 反論や限界が書かれている?
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⬜︎ 読後に残る「検証材料」または「実装手順」がある?
まとめ:受賞する文章は「信頼」か「実装」を置いて帰る
今回の受賞2本が示したことは、かなりシンプルでした。
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信頼(立証)を置くか
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実装(プロトコル)を置くか
このどちらかを置いて帰る文章が、評価される。
それが「賞に選ばれる」側の条件 なのだと感じました。■
参考記事:
The $1M Article Contest Winners
https://x.com/XCreators/status/2018803490504774059?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E2018803490504774059%7Ctwgr%5Ef2c88ba09031c23c3edceda2f004674a3e69ba3a%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.com%2Fproper_clam757%2Fn%2Fn5ceb95dd8c59